同居している・遠方に離れて暮らしているにかかわらず、両親がきちんと食事を食べているか年々心配になりませんか?
「少しでも元気で長生きしてほしい」
「やりたいことを楽しんでほしい」
「おいしいものを食べてほしい」
子供としては、こう考える人が多いと思います。
ところが加齢とともに食欲不振や食事拒否など、食事に対して消極的になっていきます。
せっかく作っても食事拒否されると、どうすればいいかわからなくなりますよね?
そこでこの記事では高齢者が食事拒否する原因や、食欲を高めるためにどんな工夫をしたらいいかをまとめました。
ご両親だけでなくお世話になった人の食事拒否に悩む方に、役に立つ情報になればうれしく思います。
高齢の人が食欲不振になりやすい理由が知りたい
「少し前は好きなものを食べていたのに、最近好物にも興味を示さなくなってきた」
こんな感じでふとした時に、ご両親の食欲の変化に気付くことはありませんか?
どうしてご高齢の方は、だんだん食事拒否をするようになるのでしょうか。
その理由がわからないと、介護する側も凹んだり腹が立つばかりです。
そこで高齢者が食欲不振や食事拒否する原因を、わかりやすく紹介します。
1番の原因は加齢
「お腹が減った」「満腹になった」という感覚は、脳の食に関する部分が刺激を受けて起こります。
それは噛むこと、唾液が分泌されることで、空腹や満腹を感じるのです。
ところが加齢とともに噛む力が低下して、食欲がわきにくくなります。
さらに唾液分泌が減って消化酵素の働きが悪化、食欲の悪循環を招きます。
運動量が多い人は脳へ空腹のシグナルを送りやすいのですが、そうでない人は空腹を感じにくくなります。
認知能力の低下
加齢とともに無気力・無関心になりやすく、食べる意欲がなくなっていきます。
認知症が進むとうつ症状が進み、食欲不振になります。
食べ物が食べ物だとわからなくなることを「失認」。
また箸など道具の使い方がわからなくなることを、「失行」といいます。
言葉で伝えにくくなるのも原因で、体調がよくない・食欲がないなどをうまく伝えられなくなります。
食生活のリズム乱れ
起きる時間がバラバラ、間食が多いなどありませんか?
生活リズムの乱れは、食欲不振を招きます。
空腹で食べるクセをつけると、バランスよく栄養が摂取できます。
ですから決まった時間に、食事をとるようにするのがオススメです。
精神的な負担
- 趣味がない
- 定年してすることがない
- 子供の独立
社会的な役割が少なくなると、うつ病になりやすくなります。
「そのうち誰かのお世話になるのかも?」と、近い将来に不安や抵抗を感じることもあるでしょう。
こうしたことが原因で、食欲不振になる高齢者は多いそうです。
食欲不振が続くと怖いのは低栄養を起こすこと
「高齢者の低栄養」とは、食事の質が低下して栄養状態が悪くなることです。
食事量の減少・消化不良・吸収能力の低下・噛む力の衰えなどが、その原因です。
低栄養になると必要なエネルギーが作られにくくなり、筋肉を作るたんぱく質が足りなくなります。
さらに進行すると筋肉が衰え免疫力も低下、疲れやすくなったり病気にかかりやすくなります。
丈夫な体を作るために、しっかり食べることは基本です。
食欲不振の高齢者の食欲を高めるコツや工夫
食欲不振・拒否の高齢者に気持ちよく食事を食べてもらうために、どんな工夫すればいいと思いますか?
ここではご高齢の方の食欲を高めるため、家庭でもできるコツを紹介しています。
無理なくできそうなことがあれば、ぜひ試してみてください♪
食べたくなる工夫あれこれ♪
好物を積極的に取り入れて小盛りにすると、食欲がわきやすくなります。
小さめにきざむ・おかずにとろみをつける・手でつまみやすくする。
このような工夫で、口に入れやすくのどごしがよくなります。
また介護用のお箸やフォーク・スプーンなどは、自分で食べる意欲がわきやすくなります。
認知症で食事の概念が薄れていている人は、食事の匂いを嗅いでもらうと食欲がわきやすくなります。
また会話のある楽しい食卓、リラックスできる音楽など雰囲気の演出なども効果的です。
テーブルの高さや座りやすい椅子など、環境の面からも配慮してみてはいかがでしょうか。
無理に食べさせないこと
食欲がない時に無理して食べさせると、食に関して悪い印象を持ってしまいます。
食事を規則正しい時間帯に、食べる習慣を身につけるのは基本です。
でも「たまに食べない時があっても大丈夫」と、おおらかな気持ちで食事介護をする人も楽です。
気持ちを落ち着けて怒らないようにする
思うように食べてもらえないと、お世話する側にストレスがたまるのは当たり前です。
実は高齢者の動きは、思った以上に遅いです。
本人としては、普通に食事をしているつもりかもしれませんよ。
もしかすると食事を食べること自体、理解できなくなっているかもしれません。
自分のスピードで考えるとイライラしますが、怒ると食事へのイメージが悪くなります。
まず深呼吸をして心を落ち着け、穏やかに接するようにしましょう。
ひとりで対応できないと感じたら、無理に頑張らないでください。
身内にヘルプを頼んだり、介護施設やヘルパーなどを利用するのがオススメです。
これまでの習慣を変えない
朝食は和食だったのに、パン食に変える。
1日2食だったのに、3食にする。
お昼ごはんは13時から食べていたのに、12時に変更するなど。
習慣を変えることは、食が進まなくなる原因になりやすいです。
軽い運動を心がける
体を動かすと、お腹が減りやすくなります。
短時間でいいので、1日に何度か体を動かす機会を作りましょう。
軽い体操や散歩ができるといいですね。
できなければ座ったまま好きな音楽に合わせて、体を軽く動かすだけでもOKです。
このようなことが、気分転換や認知機能への刺激に効果的です。
高齢者が好む食べ物・苦手な食べ物をチェック!
「若い頃は○○が好きでよく食べていた」という食品でも、加齢とともに好みが変化します。
徐々に噛む力や飲み込む力が衰えていくのが、その理由です。
好きな食べ物と苦手な食べ物を考慮して準備すると、食事介助がスムーズに進みます。
そこでここでは、高齢者が好む食べ物と苦手な食べ物を紹介します。
高齢者が好んで食べる食べ物
- 高齢者が好む食べ物
- おかゆ:おかゆ・雑炊・パンがゆなど
- スープ:ポタージュ・シチュー・カレーなど
- とろろ:すりおろしたとろろいも・大根など
- ゼリー状:ゼリー・ようかんなど
- プリン状:プリン・ムース・絹こし豆腐・卵豆腐・茶碗蒸しなど
- ミンチ状:つくね・ハンバーグ・ 肉団子など
- ジュース状:ヤクルト・ネクター・飲むヨーグルトなど
- 乳化されたもの:アイスクリーム・ヨーグルト
どんな食材でも、ひと口サイズが好まれます。
硬いお肉は叩いたり、切り目を入れると食べやすくなります。
食材は炒めるよりも、煮る方が好まれます。
手間ですが、食材が煮崩れるくらいのやわらかさが飲み込みやすいです。
とろみをつけるのがオススメ、裏ごしやミキサーにかける方法も好まれる調理方法です。
高齢者が苦手で拒否しやすい食べ物
- 高齢者が苦手な食べ物
- 繊維が残る:ゴボウ・タケノコ・セロリ・水菜・フキ
- 硬いもの:キャベツ・レタス・レンコン・キュウリ・リンゴ・梨・柿など
- 酸味:酢の物・オレンジ・レモンなど
- 弾力がある:コンニャク・スパゲッティなど
- 噛みにくい:厚いお肉・フライの衣・ハム・カマボコ
- のどに詰まる:餅・海苔・ワカメ・きなこなど
- パラパラになるもの:チャーハン・焼魚・そぼろ・ふかし芋など
- スポンジ状:凍り豆腐・がんもどきなど
大きい・噛みにくい・飲み込みにくい食材は、苦手な方が多いです。
たとえばトマトや茄子の中の部分はやわらかいですが、皮は硬いので取り除くようにします。
葉物野菜の葉の部分は、煮れば柔らかくなります。
ところが茎の部分は硬いので、やわらかい部分だけを取り分けるようにします。
噛みやすい・飲み込みやすいおかずを用意すると、食事はスムーズに進みやすいです。
ところが栄養バランスが偏って、不足する栄養素が増えるデメリットがあります。
ごはんや麺類から摂取できる炭水化物。
肉や魚から摂取できるたんぱく質。
野菜や果物から摂取しやすいビタミン・ミネラル・食物繊維。
これらの栄養素が不足しやすいので、工夫して摂取できるよう心がけましょう。
宅配食事サービスを利用するのがおすすめ♪
宅配食事サービスは、ごはん付きのお弁当やお惣菜だけのセットを、自宅まで配達してくれるサービスです。
管理栄養士監修で栄養バランス抜群、レンチンだけですぐに食事の準備が完了します。
ムース食やきざみ食など、噛みやすい柔らかさに仕上げたお弁当。
生活習慣病など持病に合わせて選べる制限食など、食べる方のの好みに合わせて選べます。
気になる価格帯は、1食あたり500~800円くらいです。
豊富な食材を使って毎日食事の準備するのは、なかなか個人では大変ですよね。
食事を作る手間や時間、介護する人の気持ちや時間のゆとりを考えれば、利用する価値があるお値段です♪
食事拒否する高齢者に食事を食べていただくために*まとめ
高齢者の食事拒否に困っている人に役立つ情報をまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者には離れて暮らしていた持病のある母を、通いで約20年介護した経験があります。
なかなかこの記事にまとめたように、穏やかな気持ちで介護を続けるのは大変でした。
母に不機嫌に接したこともよくあります。
介護は食事のお世話だけではありません。
入浴や歯磨き、排泄や寝返りの補助など、終わらない介護にイライラすることが多かったです。
「あの時宅配食事サービスがあれば、もう少しおだやかに介護できたかなぁ」と、今になれば思います。
宅配弁当は現在ならではのサービスで、高齢者の低栄養防止や介護者の仕事の軽減に役立ちます。
いまご高齢の方の食事で困っていらっしゃる方は、ぜひ宅配食事サービスをお試しになってください。
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献立、レシピや食事の準備にかかる時間などに悩んでいる方の参考になれば幸いです:)